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書評・読書記録

「生涯投資家」を読みました【村上世彰】

2004年~2005年にかけて、ライブドアの堀江貴文氏と大きな問題を起こした村上世彰氏、村上ファンド。「もの言う株主」「乗っ取り屋」など言われた彼は一体何をしようとしていたのか。

本人が明かす株主のあるべき姿を書いた一冊です。

村上世彰とは

村上ファンドを率いる村上世彰氏はどのようにして投資家になったのか、簡単に経歴を振り返ります。

大学卒業後、通商産業省(現経済産業省)に入省し公務員として約16年勤務。

通産省時代は、コーポレート・ガバナンスを研究し、コーポレートガバナンスに造詣が深いオリックスの宮内義彦氏と出会い、株式会社M&Aコンサルティングを設立。

その後、ファンドを立ち上げ、数々の企業に投資し「もの言う株主」として注目を集めた。

2006年6月23日、ライブドアによるニッポン放送株大量買い占め情報を堀江貴文前社長から聞きニッポン放送株193万株を買い付けたというインサイダー取引の容疑で起訴。

2011年6月7日、最高裁は上告を棄却し、懲役2年執行猶予3年、罰金300万円と追徴金約11億4900万円の有罪判決が確定。

2013年頃からは、ファンドマネージャーではなく、200億円とも目される個人資産をバックにした投資家として活動再開。

2015年11月25日、証券取引等監視委員会により金融商品取引法違反(相場操縦)容疑で自宅や長女宅などが強制調査される。

強制調査を受けた長女村上絢は当時妊娠7カ月で、産休中で業務から離れており、嫌疑対象の時期を含め売買判断に全く関与していなかったにもかかわらず度重なる調査を受けたストレスから死産する。これを契機に自身が再び表に出て自分の理念や信念ときちんと伝えなければならないと思い、本書を含めた投資に関する教育、啓蒙活動を行う。

豊富な人脈と経済界の後ろ盾

村上世彰氏のイメージは辣腕で強引な株式取得で、経営者に経営判断を迫るといったものがあるかもしれません。

しかし、タイトルにあるように実は「豊富な人脈と経済界の後ろ盾」なくして、ここまでのファンドを作り上げることはできないのです。

まず、設立の際に共同で出資したオリックス・宮内義彦会長です。

そして、そこからファンド設立時に出資した一人の元日銀総裁・福井俊彦氏

さらに、福井氏は三井住友銀行の西川善文頭取安田信託銀行の笠井和彦会長など銀行経営者4名を紹介します。

また、宮内会長を紹介したのは人材派遣会社ザ・アール・奥谷禮子社長で、彼女は村上世彰氏の希望に応えて「日本マクドナルド・藤田田社長」「セゾングループ・堤清二氏」「リクルート・江副浩正氏」を紹介します。

誰もが知っている財界の大物の協力や手助けを経てファンドが設立されたと知ると、少しイメージが変わってきませんか。

さらに詳しい人脈についても、本書の至るところで書かれています。

本人が明かす注目の事件の数々

村上ファンドが関わった事件に興味がある人は多いと思います。

ここでは、本書に書かれている対象となった会社と内容を箇条書きにしてみましょう。

・昭栄【日本初の敵対的TOBを仕掛ける】

・東京スタイル【プロキシーファイト】

・ニッポン放送【コープレートガバナンス不在の代表格】

・阪神鉄道【阪神タイガース上場プラン】

村上氏が本書で一貫として言っているのは、株主のための経営とコーポレートガバナンスについてです。

ニッポン放送に関するライブドアなんて、正直、余談ですらありません。しかも、本書を読むとこれがインサイダー取引に該当するのかという疑問すら沸いてきます。

ライブドアの関わりと逮捕のせいでダークなイメージがありますが、本書を読む限りでは至極真っ当なことを言っています。もちろん、本人談なのですが。

では、なぜ、豊富な人脈と後ろ盾がありながら逮捕や強制捜査を受け、これだけ叩かれるのか。

一つは「金儲けは悪い、ズルい」イメージが日本にはあること。そして、恐らくですが味方以上に敵も多くいたのではないでしょうか。

ただ、村上氏のコーポレートガバナンスへの信念と豊富な人脈と行動力が書かれている本書は本当に面白いです。

村上ファンドを知っていて株式投資を続けている人は手に取ることをお勧めします。




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