書評・読書記録

『セゾン 堤清二が見た未来』を読みました。

パルコ、無印良品、ファミリマート、西友、イープラス、これらの企業が実は一つのグループから生まれた事を知っているだろうか。

その名はセゾングループ。

セゾングループとは、どのような組織体であったのか。セゾングループを生み出した堤清二は、どのようなビジョンを持っていたのか。本書から探っていく。

セゾングループとは

セゾングループとは、堤康次郎が創業した西武鉄道を起源に、次男・清二が流通部門、三男・義明が鉄道部門を引き継ぎ拡大していったうちの流通部門から発展したグループである。

この2人合わせた西武グループは、西武鉄道グループは西武ライオンズ・スキー場・プリンスホテル、セゾングループはパルコ・ロフト・無印良品、1970〜1980年代に青春を過ごした人にとってはレジャーや小売に関して生活に大きな影響を与えたとされている。

また、堤清二と堤義明は異母兄弟であり、堤康次郎は認めた数で子供12人、噂では100人とも言われる人物で、この2人に関しても複雑な家庭なのは有名だが、その話はここでは割愛する。

感性経営により生み出されたセゾン文化

西武百貨店を引き継いだ堤清二は、「感性経営」と言われる独自の戦略で西友・無印良品・パルコなど次々と展開していった。

無印良品は西友のPB商品として脱ブランド化から。

イープラスの前身チケットセゾンは百貨店で商品でなくチケット販売をする「コト消費」の先駆けとして。

パルコは不利な立地に足を運ばせるため、尖った若者を惹きつけるサブカルチャーの担い手として。

今でも十分通用するどころか、今だからこそ求められている発想でもある。

 

しかし、「生活総合産業」という理想の実現のために事業を多角化していったい方、多額の負債を抱え、バブルの崩壊と百貨店の不振もあり、一気にセゾングループは崩壊。1991年に辞任、2001年に完全に解体された。

私が世の中に関心を持つ頃にはセゾングループは衰退していたが、パルコ・無印良品・ロフトなど、どことなく共通した匂いを感じていた。

それはコンセプトとして堤清二の影響が今なお残っていることや、解体はされたものの実際には緩やか繋がりがあるのも要因だろう(ファミリーマートで無印良品の販売など)。

本書は、堤清二が何を追い求め、どのような発想で事業を生み出したかを学ぶビジネス書でありながら、解体後も企業ブランドとして輝く各社の成り立ちに当時の熱量とノスタルジックを感じる、そんな一冊である。




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