法人税

【役員報酬の決め方】定期同額給与とは

会社経営をしているというと、社長は自由に自分の給料を設定できると思う人も多いかもしれません。

しかし、役員については、役員給与に一定の制限がかけられています。

今回は、その原則である「定期同額給与」について紹介します。

法人税法上の役員の範囲

まず、法人税法が適用される「役員」とはどのようなものでしょうか。

下記のように定められています。

1  法人の取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事及び清算人

2  1以外の者で次のいずれかに当たるもの

(省略)

タックスアンサーNo.5200 役員の範囲

いわゆる、会長・相談役・顧問などの肩書きだけでは法人税法上の役員には該当しないので注意です。

定期同額給与とは

会社の役員の給与は、一定の要件に該当しないと経費とは認められません。

それが定期同額給与です。

定期同額給与は要約すると下記のように定義されています。

その支給時期が1か月以下の一定の期間ごとである給与で、その事業年度の各支給時期における支給額が同額であるもの

No.5211 役員に対する給与(平成2941日以後支給決議分)

簡単に説明すると下の図のようになります。

 

つまり、原則として事業年度の間、月額30万円なら30万円で給与の額は変えてはいけないことになります。

しかし、これでは給与を変えるタイミングが一度しかなく、厳しすぎます。そこで増額又は減額改定について、以下の①〜③の理由が認められます。

通常改定

「その事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3ヶ月を経過する日までにされる定期給与の額の改定」

3ヶ月を経過する日まで」なので、図のように6月の株主総会で6月分の給与の改定を行い、翌月払いだと7月から支払額が変更されることになります。

ただ、会計監査人の監査を受けない多くの法人は、事業年度終了の日の翌日から2ヶ月以内が申告期限となるため、株主総会も5月に行うことが多いでしょう。

その場合は、遅くとも6月から役員給与の改定となるので、何も心配する必要はないかと思います。

臨時改定事由による改定

「その事業年度において、その法人の役員の職制上の地位の変更、その役員の職務の内容の重大な変更その他これらに類するやむを得ない事情によりされた、これらの役員に係る定期給与の額の改定」

例えば、平の取締役が新たに代表取締役に就任した場合、事業年度の途中から給与が増額されても問題ありません。

逆に、代表取締役が退任して平の取締役になる減額も同様に全てが認められます。

業績悪化改定事由による改定

「その事業年度において、その法人の経営状況が著しく悪化したこと、その他これに類する理由によりされた定期給与の額の改定」

業績悪化事由は比較的弾力性があり、複数の株主は取引銀行との協議など数値的な指標以外にも客観的な事実でも認められるようです。もちろん、コロナによる自粛も含まれます。

定期同額給与と認められない場合

定期同額給与の改定事由に該当しない役員給与の改定は、その部分が損金として認められないこととなります。具体的には、次のような場合には損金算入が認められません。

事業年度の途中で売上が大幅に上がり、役員報酬を増やして節税しようという利益調整のための改定は認められません。

当然、決算書の見栄えを良くするために事業年度の途中で役員報酬を減らす改定も当然認められません。

まとめ

以上のように、役員報酬の改定については、原則として事業年度の間に変更することはできません。

そのため、経営者は先を見通す能力をしっかり身につけなければならないですし、計画的な資金繰りを作成しなければなりません。

好業績で次の事業年度の役員報酬を上げたものの、1年しか好業績が続かず、やっぱり元も役員報酬の額に戻したいなんてパターンもあるので注意しましょう。




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