シルクロード・メディカル社は、2019年4月に上場した医療機器会社であり、同社は頸動脈疾患に対する経頸動脈血管再生術(TCAR)と呼ばれる治療法を開発した会社です。
頸動脈狭窄症は、大脳に血液を送る血管である頚動脈に、動脈硬化の進行によって血管壁の内膜にプラークという固まりが貯まって、血液が流れる通路が狭くなる病気です。
脳梗塞を引き起こす原因ともなっており、薬による内科的治療に限界があった場合、外科手術が必要となります。
選択肢としては、古くから行われている頸動脈血栓内膜剥離術(carotid endarterectomy: CEA)と、頸動脈ステント留置術(carotid artery stenting: CAS)があります。
そして、第三の選択肢として提供しているのが、シルクロード・メディカルの経頸動脈血管再生術(TCAR)と呼ばれる治療法なのです。
それでは、シルクロード社の強みや株式分析をしていきましょう。
経頸動脈血管再生術(TCAR)とは
頸動脈狭窄症の第三の選択肢となるTCARとは、どのような術式なのでしょうか。
シルクロード社の公式サイトによると、狭窄している部分から血流を吸い取り、プラークが脳に行かないようにし、プラークを機械を通して濾した後、また戻すようです。公式サイトには、動画による説明もありますので、興味のある方は見てみて下さい。
さて、このTCARは既存の治療法と比べて、どのようなメリットがあるのでしょうか。
シルクロード社によると、TCARのメリットは以下のように説明されています。
脳卒中(Stroke)/死亡率には違いがないものの、心筋梗塞(MI)および脳神経損傷(CNI)のリスクが有意に減少したことがわかります。
また、手術時間がCEAは121分でTCARは73分と大幅に短縮でき、患者の負担が少ない利点が挙げられます。
CASとTCARを比較した結果は、脳卒中も死亡率も大きく減少していることがわかります。
TCARもステントを設置することから、CEAに代わる技術というよりは、どちらかというとCASの改良版のような気もしますね。
市場規模
シルクロード社の資料によると、アメリカでは430万人が頸動脈狭窄症を患っており、43.2万人が診断を受けているようです。
この43.2万件の診断のうち、16.6万件が手術を行い、残りの26.6万件が経過観察となっています。
シルクロード社は、まず16.6万件・11億ドルの手術のうち11万件・7億700億ドルをTCARに置き換えを目指しているようです。
経過観察やアメリカ以外の市場規模も含めると51億ドルと謳っていますが、流石に全てTCARに置き換わるのは現実的ではないでしょう。
業績
売上高
第3四半期の売上高が75.23百万ドルなので、同様のペースで増えれば100.30百万ドルになり、コンセンサスは達成できそう。
当期純利益
順調ならば、売上の拡大に伴い赤字幅は減少しなければいけないのですが、2021年のコンセンサスでは思った以上に赤字が減っていません。
単一製品でシェアも限られているため、拡大し続ければ良いというものではなく、早めに見通しが立ってほしい所です。
配当
配当は現在出ていません。
株価推移
上場来のシルクロード社の株式チャートです。
コロナ前まで25〜45ドルのボックス圏、コロナ後は45〜70ドルのボックス圏をうろうろしています。
現在、43ドルまで大幅下落しており、このまま下げるとコロナ前の25ドルまで下がる可能性もありそうです。
シルクロード・メディカル株が魅力的な理由
2021年決算でコンセンサスの売上1億ドルを達成すると、手術全体の市場規模に占める割合は9%となります。
2019年のデータによると手術の82%がCEAで、13%がCASとなっています。TCARが残りの5%とすると、2年で着実に普及してきているのがわかります。
シルクロード社は手術の2/3をTCARに置き換える目標としていますが、とりあえずは1/2の5億ドルぐらいを目指して欲しいところです。
それでも伸び代は現在の5倍もあり、アメリカ国外まで広まるようなら、更なる上昇も見込めるでしょう。
一方で、未だ利益のでる体質ではなく、普及割合的には、そろそろ利益が出て欲しいところです。
株価も乱高下しており、不安定なのが現状です。過去には20ドルまで落ち込んだこともあり、40ドルを割るようだと長期の低迷も考えられます。
個人的には、負担の少ない新規の手術方法の普及と単一製品での商売のため大手による買収の可能性まで含めて、将来に期待したいと思っています。