相続税

ひと安心?相続時精算課税制度の適用者へのお知らせについて

平成15年度の税制改正により導入された相続時精算課税制度。

以前の記事で、いつ誰が相続時精算課税をしたのか確認するために、開示請求という方法があるのを紹介しました。

相続時精算課税の開示請求ってどうやるの?

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しかし、この開示請求の注意点として「開示される内容は、開示対象者全員の合計額となるため、誰がいくら貰ったかまでは分からない」というものがあります。

しかも、自分から開示請求をしないと、相続時精算課税を適用したかも分からないので、そもそも相続時精算課税を適用していることを完全に忘れている人には意味がありません。

今回、東京国税局から相続財産の加算漏れを防止する観点から、お知らせを送付する施行を独自に実施する旨の周知依頼がありました。

確認してみましょう。

相続時精算課税制度を適用したのを覚えていますか?

概要

令和5年5月から送付開始(令和4年10月相続開始分)されているようです。

現状案では以下のような用紙が送付されるようです。

 

「相続時精算課税の適用を受ける財産を申告した年分」として、金額は分からないのですが、少なくともいつ申告したかは教えてくれるようになるようです。

結局は金額について、開示請求なり、申告書等閲覧サービスを利用することになりそうですが、記憶があやふやな納税者にとってはありがたいお知らせです。

 

送付対象とならない場合

相続時精算課税制度を適用した相続人全てに、このお知らせが届くわけではありません。下記の場合には、送付対象となっていないようです。

・相続税の申告案内の対象になっていない場合
・相続人等が東京国税局の管轄外に居住している場合

 

2番目の項目の注意点として、相続人が複数いる場合で、東京国税局の管轄内に居住する相続人と同管轄外に居住する相続人のいずれも相続時精算課税を適用しているときには、どちらも送付対象から除かれてしまいます。

つまり、東京国税局の管轄内に相続時精算課税を適用していた相続人いても、お知らせが届かないパターンもあるのです。

また、「相続税の申告についてのお知らせ」が届かないからといって、相続税が発生しないわけでもないため、不安な方は相続時には必ず専門家を含めて財産を確認するようにしてください。

おわりに

相続時精算課税制度は、令和6年1月1日以降、年間110万円の基礎控除との併用が認められるようになります。また、2024年1月1日以降から、順次、最大相続開始前7年以内にした生前贈与が相続時に加算されるようになります。

そのため、今後、相続時精算課税制度の利用者が増えていくのを見越しての「お知らせ」でもありそうです。

東京国税局の管轄のみではありますが、このようなサービス?は納税者のためにもありがたいものです。

実際、本当に忘れている人もいるので…




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