日経新聞のThink!よリ「米国で正式承認、エーザイ認知症新薬の効果は?」という記事に注目。
米食品医薬品局(FDA)は6日、エーザイと米バイオジェンが開発した認知症新薬「レカネマブ」を正式承認した。アルツハイマー病の進行スピードを緩やかにする効果を証明した初の医薬品となる。日本でも厚生労働省が9月末にも承認の判断を下す見通し。各国でレカネマブの承認が進む公算で、治療が困難とされた認知症対策が世界で進みそうだ。
ここからは有料版となるが、ざっとまとめると以下のような内容だ。
・アルツハイマーの患者数は現在5,000万人
・レカネマブの薬価は年間2万6,500ドル(約385万円)
・保険適用となると保険料の増加は免れないが、長期的には社会保障費の圧縮につながる
アルツハイマー病は認知症患者の6〜7割を占めると言われており、脳内に「アミロイドベータ」というタンパク質が蓄積していくことで発症する。
このレカネマブは、アミロイドを除去す薬で、アルツハイマー病の進行スピードを27%緩やかにする効果が確認されている。
もちろん、世界中の大手製薬会社が同様の研究をしているが、世界で初めて正式承認されたのが「レカネマブ」なのである。
問題は300万円を超える薬価だ。
実際に患者が支払う自己負担は1割の30万円だとすると、残りは健康保険料からの支出となる。支払い方によっては、高額療養費制度が利用できるため、患者自身の負担はもっと少なくなるだろう。
一方で、膨らみ続ける社会保障費(医療費と介護費)はどうなるのか。
現在、治験ではレカネマブはアルツハイマーの進行を7ヶ月半程度遅らせる効果を見込んでいるという。
正直、高額な薬価とその後の介護にかかる医療費や負担を考えると、7ヶ月半ではあまり意味がない気がする。
ただ、もし、これが5年近く遅らせる治療薬が登場すれば話は変わってくる。
アルツハイマーの発症は高齢者に多いため、5年も発症が遅らせることができれば、健康的に寿命を全うする人も増えるだろう。
今後、まだまだ社会保障費の増大は免れないだろうが、医学の発展によっては明るい将来が見えそうでもある。
ただし、今の現役世代は苦難が続くのだろう…