株式投資の手法には大きく分けて2つの方法があります。
一つはファンダメンタル分析、もう一つはテクニカル分析です。
今回はテクニカル分析に焦点を当てて解説したいと思います。
テクニカル分析とは?
将来の取引価格の変化を過去に発生した価格や出来高等の取引実績の時系列パターンから予想・分析しようとする手法です。
前回勉強したファンダメンタル分析とは違い、ここの経営内容を見るのではなく、株価の推移などから将来を予測することになります。
テクニカル分析は、トレンド系(株価が現在向かっている方向を見る順張り)の指標とオシレーター系(株価の買われすぎ売られすぎを見る逆張り)の指標に別れているので、代表的なものを勉強していきましょう。
ローソク足
チャート分析の基本はローソク足です。
安値・高値・始値・終値を一本のローソクのような図で表したものです。チャートを開くと大抵はこれが表示されますが、詳しい使い方までマスターしている人はなかなかいません。
ローソク足は江戸時代に出羽国の本間宗久が発案し、大阪・堂島の米取引で使われたといわれている世界に誇る指標となっています。
そして、その本間宗久が発案したローソク足を使った酒田五法という分析法が、いまなお多くの人に愛用され相場に影響を与えています。
RSI
RSIはRelative Strength Indexの略で、過去の値動きに対する上昇幅の割合をグラフ化したオシレーター系の指標です。
一般的に25~20%以下では買いのタイミング、70~80%以上は売りのタイミングと言われています。
また、株価とRSIが反対方向に動く現象があり、これを「ダイバージェンス」といい、株価の転換ポイントとなるシグナルです。
MACD
MACDとは2本の移動平均線を用いることで、株価のトレンドと売買タイミングの両方をはかることができる指標です。
つまり、トレンド系とオシレーター系を両方兼ね備えており、人気の指標となっています。
主な売買のポイントは2本の線の傾きとクロスを狙うものでシンプルな点もオススメです。
ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドは株価移動平均線と標準偏差で構成されている統計学を応用したトレンド系とオシレーター系を兼ね備えたテクニカル指標です。
計算式は、「25日間の個々の終値」から、その「25日間平均値」を引いたものを二乗し、それを25日分合計し、その値を25で割り、最後にその平方根をとったものが「25日標準偏差」となりますが、問題はチャートの使い方です。
ボリンジャーバンドの±1σの範囲内に収まる確率・・・約68.3%
ボリンジャーバンドの±2σの範囲内に収まる確率・・・約95.4%
ボリンジャーバンドの±3σの範囲内に収まる確率・・・約99.7%
ボリンジャーバンドは上記のような確率で株価とともに推移していきます。
詳しい使い方は、最後に紹介する書籍などが参考になると思います。
一目均衡表
細田悟一によって1936年に考案された世界に通じるチャート分析法でトレンド系の指標に該当します。
製作者みずから手がけた解説本は全七巻にも及び、身につけば非常に有用とされる一方、時間論・波動論・値幅観測論などを総合的に判断する必要があるため、習得までの難度は極めて高いとされています。
素人でもわかりやすい、雲やトレンドの転換点ぐらいなら何とか理解はできますが、本格的に勉強するとなると相当の時間を必要とします。
まとめ
ファンダメンタル分析とテクニカル分析、どちらが優秀ということはありません。
自分にあったトレードスタイルにより、その手法を選ぶ事が重要だと思います。
何故なら、トレードスタイルの代表的なものにデイトレードがありますが、デイトレードではファンダメンタル分析はほとんど意味を成しません。
数秒、数分先の株価を予測するために財政状態や経営成績が入り込む余地はほとんど無いからです。
デイトレードの定番のFXではテクニカル分析が多用されているので、FX関連の書籍で勉強するのも良いでしょう。
一方、長期投資を目的としているならば、数年を比較したファンダメンタル分析が効果を発揮していきます。
このように、これから自分がどのようなトレードスタイルを身に付けるかによって、どちらをより勉強するかは変わっていきますが、基本的なものは両方勉強しておくこと良いでしょう。