今回は異色の分析銘柄です。
本来、私が投資する銘柄は、PBRを使った株価分析を行うため上場期間が長く、傾向が見極めやすい銘柄を対象としています。本記事で紹介する「コラボス(3908)」は、2015年3月に上場した新興企業です。
それでも注目したくなった理由があるので紹介したいと思います。
コラボスとは
事業内容:コールセンター向けクラウドシステムの提供
コールセンターと言えば、広いフロアに電話と人員を割いて・・・というイメージです。ネット社会の今どれだけ需要があるのか?その辺についても分析したいと思います。
企業分析
今回はタイトルもいつもの「株価分析」ではなくて「企業分析」としています。上場されてから日が浅く流動性も低いため、長期的な展望での期待となります。
魅力その1「コールセンター需要」
実はコールセンター、テレマーケティングの市場は現在増加傾向にあるようです。
矢野経済研究所(本社東京都、水越孝社長)はこのほど、国内のコールセンター市場およびコンタクトセンター・CRMソリューション市場について調査を実施した。EC市場の拡大に伴い流通業の引き合いが増加傾向にあり、14年度のコールセンターの市場規模は前年比2・4%増の伸びになるとの予測を発表した。11年度から16年度までのコールセンター(テレマーケティング)市場(事業者売上高ベース)は年平均成長率1・7%で推移し、16年度には7086億円になるとしている。
要因としては「国際化による多言語対応」「震災による拠点の分散化」「NISAやマイナンバー対応などの特需」そしてコラボスのような企業によるクラウド対応による「自社システムからクラウドに乗り換え」「中小企業のコールセンターの設置」があるようです。
コラボスはクラウドサービスの中でもパイオニアであり先行者利益があります。
コラボスの顧客はヤマハ、ロート製薬、オリンパスなど大企業も導入している一方、5席前後の小規模コールセンターにまで対応しています。
コールセンター市場の拡大に加え、ヤマハのような自社システムから乗り換え需要もあり、まだまだ成長が期待できます。
魅力その2「財務健全性」
市場もそれなりにあり、クラウドシステムの中ではパイオニアという事はわかりました。
それでは、財務について検討してみましょう。
まず、コールセンターシステムという事業内容から、安定した収益が予想されます。システム会社の変更や総入れ替えなんて一度したらそう簡単にはしません。また、月額料金制というところから、長期に安定して収入が確保できることがわかります。
実際、4期連続で増収増益を達成中です。
自己資本比率76.7%、有利子負債も少なく、着実に収益がストックされる事業モデルとなっています。
あえて、デメリットを上げるとしたら、安定しているモデルだけに業績が急騰するようなイベントはなさそうなことでしょうか。
ただ、業績的には急騰はなくても、流動性の低い現在は株価の乱高下がそれなりに激しいですので気を付けて下さい。
魅力その3「将来性」
将来性については、安定した資金力を生かして海外展開・新規開発・M&Aなどを考えているようです。
さらに、現在上場しているマザーズ市場は10年経つと東証1部か2部に指定替えを求められるルールがあり、長期的な視野ですが株主の増加なども期待できます。
また、もし事業拡大が上手くいかずに業績が頭打ちになっても、ストック型のモデルのため配当重視の経営も考えられます。これはこれで需要がある銘柄となるでしょう。
クラウド型のコールセンターシステムは、まだまだ需要の掘り起こしもあり、ストック型の事業モデルというのも長期で保有するには安心な材料だと思います。
将来的な株価は予測できませんが、順調に積み重ねている利益がいつか株価に反映されると思っています。
順調に推移すれば2019年3月期には上場時からEPSが2倍にはなっていそうなので、できれば株価も5,000円台になって欲しいですね。(投稿日2017年4月28日現在3,000円)