日本では馴染みの深い「星の王子様」として日本語訳をされている本ですが、直訳をすると「ちいさな王子」となり、近年はこちらのタイトルでもよく出版されているようです。
子供にも読みやすい、あの優しい話には一体どんな意味が隠されているのでしょうか。
「ちいさな王子」ってこんな小説
あらすじ
あらすじは、砂漠に不時着した飛行士の「僕」が、ちいさな王子と出会い失ってしまった子供心を取り戻していく物語です。
純粋すぎた王子は住んでいた星をとある理由で飛び出します。様々な星を巡り、そこで会った大人を見ることで王子は成長をしていきます。
帽子にヒツジ、バラとの出会い、バオバブの話、王様が一人住んでいる星、そしてキツネとの出会い。
読んだ事がなくても何となく知っている部分があったりするのではないでしょうか。
そして、最後に辿り着いたのが地球で王子と飛行士は出会います。
既に完全に大人の心となってしまった飛空士は王子との対話を通して徐々に失っていた大切な心を取り戻していくのです。
王子と一緒に旅をしよう
この物語の中で、王子は様々な出会いをしていきます。
子供向けの本ということで執筆依頼を受けて完成した作品のため、この物語に出てくるエピソードに対して王子はいちいち深く語っていません。
きまじめな王子と一緒になって考える心が必要となってくるのです。
「大事なことは、目には見えない」
これがテーマとなっています。
ただただ読んでいただけでは多くの大人は何も見えないまま読み終えてしまうかもしれません。
大人だから悪い、子供だから悪いというわけではありません。
この物語の中で、王子は子供から大人へと成長していきます。どのように大人に成長していくが重要なのです。
僕たちは誰しもが大なり小なり自分の価値観を持って生活をしています。特に子供の頃は子供だけの価値観を持っています。
たしかに、子供の頃、自分だけが持っていた価値観の中で生きていくのは幸せでした。しかし、大人のなって自分の世界の価値観だけでは生きてけません。
客観的な世界とのバランスを取りつつ、その気持ちを受け入れてあげることが大切なのです。
そんな気持ちを取り戻していく旅を、是非、王子と一緒にしていってみてください。
100分de名著で読み解く
そうは言っても、子供心を無くしてしまった大人の価値観では、この物語の奥底までは理解できなくて読み流してしまう部分も多々あると思います。
僕も番組やガイドブックを見て、初めて王子の気持ちに気が付いた場面もありました。
残念な事に、この回の放送はNHKオンデマンドでも無い様です。ガイドブックは販売されているので、もう一度忘れてしまった気持ち、欠けてしまった気持ちを取り戻したい方は読み直してみて下さい。