社長にとっても税理士にとっても税務調査は嫌なものです。
2日間の拘束と打ち合わせや修正申告書の作成。通常業務に加えて、精神的にも肉体的にも仕事の負担が増えます。
税務調査は、税務署から税理士へ連絡があり、日程を調整します。
税務調査が来る時期は決まっているのでしょうか。
体験談を含めて税務調査の時期を考えてみたいと思います。
税務調査が無さそうな月は?
今回のテーマは、税務調査の時期。時期と言っても年単位の話ではなく、何月ぐらいに調査が多いのか少ないのかという話です。
税理士側の心理としては、結構気になる話題です。
なぜなら、2〜3月にかけては確定申告の時期となりますし、人によっては繁忙期以外に業務が多い月もあるでしょう。
一般的な話と過去の経験から、下記のようなパターンが多いようです。
確定申告期間
これは税務調査の無い期間としては、鉄板です。
2月16日から3月15日までの期間は、各税理士会が税務署へ調査を避けるように申し合わせをしているからです。
流石に、どの税理士もこの確定申告の期間に税務調査は受けたくありません。
一方で、税務署側も確定申告の当日対応に追われています。
税理士と税務署は敵対しているわけではなく、コミュニケーションを取って税務調査に臨んでいるのです。
ちなみに、税務署の方に話を聞いたときに「法人部門は確定申告期間であろうと対応できるので、税理士の先生が良ければ確定申告期間でも調査はできますよ」とのことでした。
個人の確定申告をほとんど受けていない税理士事務所ならば、2月16日〜3月15日の間に調査に立ち会うこともあるかもしれませんね。
税務署の異動期間
税務署は、7月1日から翌年6月30日を年度としています。
そして、人事異動はその年度初め7月10日に行われるようです。
この人事異動が終わる7月の中旬から税務署の活動は本格化し、順次調査先の選定に入ります。
その調査先の選定が終わり、会社や税理士へ通知が来るのが7月の下旬となるため、7月下旬から8月にかけては調査が来やすい季節と言えます。
逆に言えば、6月下旬から7月上旬は異動を跨いで調査を避けるため、やや可能性が低いとも言えます。
思い返すと、私も暑い時期の調査が記憶に残るため、7〜8月は調査が多いイメージです。
決算期
その会社の決算から申告までの2ヶ月間に調査が入ることは少ないような気がします。
その期間に調査に入ってしまうと、直前期の申告書を見ることができないデメリットがあります。
大抵は、臨時的に大きな収入があったり、土地や建物を購入した期間の申告が終わって数ヶ月後などに入ることが多いと思います。
繁忙期に税務調査が来たらどうする?
税務調査の連絡は、当たり前ですが突然来ます。
日程は、概ね2〜4週間前に連絡が来て、指定の数日間のうち2日を決めるパターンが多いです。
しかし、その期間に出張や繁忙期が重なってしまって、どうしても避けたい時はどうすれば良いのでしょか。
税務調査の日程は変更できる
実は、税務調査の日程は変更できます。
それも、思ったよりも融通が利くのです。
一度、税務調査の連絡で2月上旬を指定して連絡が来たことがありました。
確定申告期間は2月15日から3月15日と考えると、調査に入らないと申し合わせた期間のギリギリ直前です。修正申告などの提出は確実に確定申告期間に食い込んでくるでしょう。
流石に、そんな慌ただしい時期に調査は避けて欲しいですよね。
ということで、1月下旬に税務調査の日程を変更してもらったことがあります。
連絡から調査まで2週間を切っていましたが、経理に問題のある会社を抱えていないのと資料もきちんと揃えてある会社なので、2週間もあれば打ち合わせは十分でした。
この時は前倒しの調査となりましたが、病気など事情によっては調査の日程を後ろにズラす対応もしてくれます。
まとめ
脱税など突然訪れる税務調査は別として、後ろめたいことがなければ税務調査はそれほど怖くありません。
夏頃から調査があるかもしれないという心構えと、日頃からきちんと資料を揃えておけば、準備は十分です。
国税出身の税理士が調査に強いなど謳っていますが、大半の中小企業は複雑な経理をしていないし、直前にできることは限られています。
日程を含めて、税務署員と丁寧に対話をしていくのが大事だと思います。