経営者にとって怖い税務調査、当然、税理士にとっても税務調査は嫌なものです。
税理士は間違った指導さえしていなければ、それなりに指摘されるポイントの予測が付くため、経営者ほど怖くはないのですが…。
打ち合わせから始まり、ポイントの洗い出し、資料の確認、税務署との調整、修正申告書の作成とイレギュラーな業務が続くのは確かです。
そこで、税務調査はいつ来るのか?
一般的な話と個人的な話を交えて書いてみたいと思います。
開業3年目を過ぎると来る!?
開業3年目を過ぎると税務調査が来るという噂はよく聞きます。
実際は、来ない会社はずっと来ないですし、開業3年目を過ぎたら来るという理屈は特にありません。
おそらく、この噂の出どころは一般的な税務調査に必要な資料が「過去3年分」の帳簿書類というところから来ているのだと思います。
ただ、普通に考えれば1年目や2年目は消費税の免税事業者に該当していたり、売上も少ないため、4年目になってすぐに税務調査に入るメリットは少ないと思います。
もちろん1年目から消費税の課税事業者となるような売上や土地建物の売買があったりと、多額のお金が動いている会社は比較的早い段階で税務調査が入るかも知れません。
大半の中小企業にとっては、4年目になったからと税務調査に怯えるのは杞憂に終わるのではないでしょうか。
脱税の調査は泳がされる!?
脱税や怪しい動きをしている会社には、税務調査は無予告で入ります。
こればかりは、いつ来るかは読めません。
しかし、私が見聞きした中で、隠れて不正をしている会社は、不正をしてから税務調査の期間は結構泳がされていることがあります。
税務調査で遡ることができる期間は、下記のようになっています。
国税通則法 第70条から抜粋
更正決定等は、当該各号に定める期限又は日から5年(中略)を経過した日以後においては、することができない。
5 次の各号に掲げる更正決定等は、第1項又は前2項の規定にかかわらず、第1項各号に掲げる更正決定等の区分に応じ、同項各号に定める期限又は日から7年を経過する日まで、することができる。
通常は5 年、偽りその他不正行為があった場合には7年と定められています。
つまり、税務署が目一杯搾り取ろうと思えば、8年目に入るのが不正による脱税額を取り返す最大のチャンスとなるのです。
8〜10年というと不正をしている側は完全に油断している可能性も高いです。
YouTuberが台頭してきて10年を過ぎてきましたが、そろそろ法人化したYouTuberに税務調査が入って多額の追徴課税なんかあってもおかしくなかったり。なんて想像もできてしまいますね。
ちなみに、通常5年遡ることができますが、大抵の調査は問題がなければ3年遡るぐらいで済むことが多いです。
定期的に税務調査が来る会社
税務調査が来る時期は簡単には読めませんが、定期的に来る会社もあります。
20年ぐらいに渡って、4〜5年に1回は税務調査がある会社がありました。
この場合、3〜4回目は覚悟ができているので準備は万端です。
そんなに調査が定期的に入る理由はわかりませんが、前回指摘事項があったり、現金で売上があったりする会社だからといったところでしょうか。
知り合いの税理士には、「現金商売の会社は不正が見抜けないし、基本的には仕事を受けない」なんて人もいます。
そのような会社の場合には、定期的に税務調査がくる覚悟も必要かも知れませんね。
まとめ
前回の記事や今回の記事から、何となく税務調査が入るタイミングや心構えを感じることができたでしょうか。
あくまで個人的な経験や見聞きした話を総合したもので、実際はケースバイケースとしか言えないでしょう。
それでも「突然、税務調査に入られた!」と動揺しないためにも、参考にしていただければ幸いです。