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請負契約と委任契約の違いとは。外注契約書の内容をわかっていますか?

2015年7月4日

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会社が軌道に乗り、経営が順調になっていくと人手が足りなくなります。

しかし、社員を雇うほどの作業量や余裕はない。

そんなときに、よく外注契約を結ぶ経営者が多く見られます。

これは職種に問わず、建設業や運送業、製造業、そして執筆やイラスト・マンガ家など幅広く外注を利用しています。

この外注契約書、発注する側も受ける側もきちんと契約内容を把握していないと痛い目に合ってしまいます。

そこで、今回は外注契約を結ぶ場合の「請負契約」と「委任契約」について紹介したいと思います。

外注契約って何?

外注契約とは、一定の契約に基づき、受任者に作業を委託することです。

一般的なものは、製造業などで自分の出来ない加工などを外注に頼み、加工後に自分でさらに組み立てるなどがあります。

また、最近はブログやメディアでも記事を外注し、一人ではこなしきれない量の記事を集めるなどされています。

それでは、外注に頼むメリットは何でしょうか?

一つは、先ほどの自分に出来ない作業を委託することです。

もう一つは、社員を雇うほどの作業量が無い場合や、資金的に余裕が無い場合に、外注に頼む事で経費を自由に調整できることです。

税務面でのメリットとデメリット

外注契約を結ぶ事で税務面でも大きなメリットがあります。

例えば、ある作業を社員を雇うと給料はもちろん経費になります。

これを外注として委託すると、同じ金額がかかったとしても消費税分が仕入税額控除でき、消費税の負担を減らす事ができます。

また、源泉税や年末調整の手間も省く事ができます。

小規模の会社にとっては、年末調整などで税理士報酬を取られるため大きなメリットでもあります。

ただし、外注の受託者はそれを売上として計上し、確定申告をしなければならないので注意が必要です。

外注先がきちんと確定申告していないと、空の外注書を切ったと疑われる可能性もあるので、契約時に受託者には確定申告が必要の旨を伝えるようにしてください。

「請負契約」と「委任契約」の違い

それでは本題に入りたいと思います。

外注契約と言っても、その内容は「請負契約」と「委任契約」で大きく違いがあるのです。

参考:「契約形態が請負か準委任かで、問題となった事例

請負契約

請負とは、「当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。」という民法632条に規定するものです。

・契約の目的

受託した仕事を完成することです。(民法第632条)

・受託者の義務

受託者(請負人)は、委託者(発注者)に対して、受託した仕事を完成させる義務を負います。(民法第632条)

・報告義務

受託者(請負人)は、仕事の遂行について委託者(発注者)に報告義務を負いません。

受託者が、その仕事をさらに下請けに出すことも自由となっています。

・報酬請求権

受託者(請負人)は、受託した仕事を完成させ、その完成品を引き渡す時でなければ、委託者(発注者)に対して、報酬の請求ができません。(民法第633条)

・瑕疵担保責任

完成した仕事に瑕疵があった場合には、受託者(請負人)は瑕疵担保責任を負います。(民法第634条~第640条)

・契約解除権

委託者(発注者)は、受託者(請負人)が仕事を完成させるまでの間は、いつでも損害を賠償して契約を解除できます。(民法第641条)

 

委任契約

委任とは、「委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。」という民法643条に規定するものです。

なお、法律行為を委任する場合を委任といい、法律行為以外の事務を委任する場合を準委任といいます。(656条)

・契約の目的

一定の事務(委託業務)を処理することであって、仕事を完成させることを義務としているものではありません。(民法第643条、民法第656条)

・受託者の義務

受託者(受任者)は、委託者(委任者)に対して、善管注意義務を負います。(民法第644条)

・報告義務

受託者(受任者)は、委託者(委任者)から請求があるときは、いつでも委任事務の処理の状況を報告し、終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければなりません。(民法第645条)

・報酬請求権

受託者(受任者)は、委託者(委任者)に対して、委任事務を履行した後でなければ報酬の請求することが出来ません。(民法第648条2項)

また、受任者は委任事務を処理するのに必要と認められる費用の償還(民法第650条1項)を請求できます。

・瑕疵担保責任

ありません。

・契約解除権

委託者(委任者)および受託者(受任者)はいつでも、どちらからでも契約を解除できます。

ただし、当事者の一方が相手方の不利な時期に解除したときは、相手方に対して損害を賠償しなければなりません。(民法第651条)

まとめ

さて、ずらっとポイントを述べましたが、注意すべき違いは以下の点です。

  • 請負は仕事の完成が目的 ⇔ 委任は業務をすることが目的
  • 請負は下請けに出すのが自由 ⇔ 委任は勝手に下請けに出せない
  • 請負は報告義務は無い ⇔ 委任は報告しなければならない
  • 請負は瑕疵担保責任がある ⇔ 委任は善管注意義務がある

何となくですが、請負の方が責任が重そうですね。

これをちゃんと理解しないで、ただ「外注契約書」をテンプレートで作ると、後々に紛争になることがあります。

なお、「請負に報告義務がない」などは必要とあれば、「必要時に経過を報告する」などを契約書に記載すると良いでしょう。

そのうえで、「外注契約書」が「請負契約書」なのか「委任契約書」なのかをはっきりとさせておきましょう。




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