多くの人がアルバイトであろうと大なり小なり会社の下で働いていますが、自分の会社が赤字か黒字か気にした事がありますか?
昨年度の調査結果が出たので、見てみましょう。
24年度の赤字法人割合は・・・
24年度分企業の赤字法人割合は70.3%と依然高水準
国税庁が3月27日に公表した「平成24年度分法人企業の実態(会社標本調査)」では、赤字法人割合が前年度に引き続き高水準となっている一方で、交際費の支出額が6年ぶりに増加したことが分かった。
平成24年度分(平成24年4月から25年3月)の法人数253万5272社のうち連結子会社(9288社)を除く252万5984社の状況をみると、29.7%を占める74万9731社が黒字法人、残りの70.3%の177万6253社が赤字法人となっており、赤字法人割合は前年度分から2.0ポイント減少したものの、依然70%を超える高水準であることに変わりはない。
http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/kaishahyohon2012/pdf/kekka.pdf
なんと、70%!
252万5984社中、177万6253社が赤字法人なのです・・・
それでも70%の会社が倒産の危機に瀕しているわけでない不思議な現象。
赤字って事は利益が出てないということですよね。
なぜ、倒産せずに経営が続けられるのでしょうか。
なぜ、赤字でも企業が存続するか?
減価償却費の存在
経理をするにあたって、費用といわれるものは全て現金などの支出を伴うと思われがちですが、実は減価償却費という現金等の流出を伴わない支出があります。
これは建物や備品など固定資産を買った場合に、買ったときはもちろん現金等の支払を行いますが費用として計上せず、その総額を何年にもわたって少しずつ費用化していくものです。
したがって、固定資産などの金額が大きいほど、毎年費用を計上することができます。
これは赤字法人の中でも優秀なパターンですね。
役員報酬の存在
家族で経営している法人などの場合、会社の目的は蓄えた現金等を個人に還元するためのものです。
つまり、儲かっている時期に適度な報酬設定にして会社に現金等を蓄えておけば、会社の成績が悪くなった時も蓄えた資金を給料として支払い続けることで安定した自分の収入を確保することができるのです。
したがって、あまり利益が出ない状態でも、過去に蓄えた資金を役員報酬として払い出す事で赤字にして税金を回避する事ができるのです。
逆に、儲かりそうなときにがっつり役員報酬を取り、その後成績が悪化したときに同様の高額の役員報酬を費用計上しつづける方法もあります。
そうすると当然に未払いになりますね。未払いが続くと税務署に否認されてしまう可能性があるので役員が会社に貸し付けて支払うのです。
ただし、あまりこれが続くと資金もショートするので危ないパターンですね。
本当に赤字の場合
いうまでもなく倒産するパターンです。
起業後10年で90%は倒産するという噂があります。
嘘なんですけどね。
中小企業白書2011によると起業後の生存率は、1年で97%、5年で82%、30年で47%となっています。
ということは、大半の赤字企業は、減価償却か役員報酬の調整で生存しているのです。
現在は少額からでも起業が出来るし、起業することでの時間や金銭的なメリットは計り知れない面があります。
もし、アイデアとちょっとした勇気があれば、思い切って起業してみるのも良いと思いますよ。