コロナ禍で業績が最悪のJR東日本。このJR東日本の株式を購入すると、株主優待としてJR東日本圏内で有効の乗車券が1回だけ4割引きになる優待券などが届きます。
旅行好きにはたまらない優待ですが、このJR東日本圏内というのが難点で、目的地がJR東日本圏外になると優待の効果は途中までしかありません。
東京駅を起点に北に行く場合はそれほど問題ないのですが、北陸に向かう場合は中途半端なところで途切れてしまいます。今回はその代表ともいえる東京ー金沢間でのJR東日本の株主優待割引券の使い方を紹介しようと思います。
JR東日本圏内ってどこまで?
JR東日本の圏内と言われてもどこまでかピンとこない人が多いでしょう。そこでまずはJR東日本圏内と他社との分岐となる駅を調べてみました。
新幹線の他社分界駅
・JR西日本(北陸新幹線)
上越妙高駅(新潟県)
・JR東海(東海道新幹線)
東京駅(東京都)
・JR北海道(北海道新幹線)
新青森駅(青森県)
なお、東海道新幹線はJR東日本の管轄ではないため、いきなり東京駅が分界駅となります。
したがって、東海道新幹線でJR東日本の株主優待割引券は使えません。
在来線の他社分界駅
・JR北海道
中小国駅(津軽線)(青森県東津軽郡)
・JR西日本
南小谷駅(大糸線)(長野県北安曇郡)
・JR東海
国府津駅(東海道本線)(神奈川県小田原市)
熱海駅(東海道本線、伊東線)(静岡県熱海市)
甲府駅(中央本線)(山梨甲府市)
辰野駅(中央本線)(長野県上伊那郡)
塩尻駅(中央本線(中央東線)、篠ノ井線)(長野県塩尻市)
ざっくり言うと、北は青森県で西は長野県の真ん中あたりまでとなります。
なんとなくJR東日本圏内の想像が付いたでしょうか。
JR東日本株主優待割引券の使い金沢へ行く方法
JR東日本株主優待割引券の特徴
JR東日本の株主になっていると5月下旬頃に乗車券の優待割引券の他、ベックスコーヒーの100円割引チケット3枚、リラクゼ15%割引券3枚などが付いてきます。
100株の場合
株主優待割引券(40%オフ) | 1枚 |
JRE POINT引換券(500ポイント) | 1枚 |
鉄道博物館入館割引券(50%オフ) | 2枚 |
東京ステーションギャラリー入館割引券(50%オフ) | 2枚 |
宿泊割引券(20%オフ、10%オフ) | 各3枚 |
レストラン・バー割引券(10%オフ) | 3枚 |
GALA湯沢スキー場リフト割引券(50%オフ) | 3枚 |
GALA湯沢スキー場スクールレッスン料割引券(20%オフ) | 3枚 |
駅レンタカー割引券(20%オフ) | 3枚 |
ベックスコーヒーショップ・ベッカーズ ドリンク割引券(10%オフ) | 3枚 |
リラクゼ料金割引券(15%オフ) | 3枚 |
ちなみに40%オフの割引券を金券ショップに買い取ってもらうと1,000〜1,800円、金券ショップで購入すると1,800〜2,500円ぐらいになるようです。
また、優待券の期限は6月1日から翌年5月31日のため、株主以外で利用したい場合は期限ギリギリに金券ショップで購入した方が安く買えます。
この乗車割引券は、定期券やグランクラスには使用できないので要注意です。
グリーン車には使用できます。
その他の細かい注意点は、画像参照にある「株主優待のご案内」をよく読んでみてください。
JR東日本株主優待割引券の使い方
さて、実際にJR東日本株主優待割引券の使い方を説明しようと思います。
画像参照:「株主優待のご案内」
これがJR東日本株主優待割引券です。
銀色になっている箇所をコインで削るとパスワードとQRコードが記載されています。係員から乗車券を購入する場合はパスワード、券売機から購入する場合はQRコードが必要となります。どちらも使用するまで削らないように注意しましょう。
今回は券売機から購入する場合を紹介します。
優待割引券を持って指定券売機へ向かい、指定券売機を操作します。
指定券売機のディスプレイは大体が下記のような表示となっています。
画像参照(赤枠と書き込みは筆者):JR東日本「指定券売機ご利用案内」
「指定券売機のご利用案内」には表示されていませんが、実際に券売機に行くと赤枠内に株主優待の表示もされているはずです。
手順としては「乗車券(株主優待)」→「株主優待割引で購入」→通常の購入と同じように「出発・終着駅、利用日時、人数、条件を選択」→目的の時間の列車から自由席・指定席などを選択し「株主優待割引で購入する」を押します。
するとQRコードかざす指示がされます。
QRコードを読み取る箇所は券売機の右下あたり、大抵はクレジットカードの暗証番号などを入力する横あたりにあります。
普段意識していないと案外気が付かないものです。
そこに先程の優待割引券のQRコードをかざすと、4割引きが適用された料金が表示され、支払いへと進みます。
出発・終着駅がJR東日本圏内なら何も問題ないのですが、東京ー金沢間のようにJR東日本とJR西日本にまたぐ切符の場合はどうなるのでしょうか。
東京ー金沢間は切符が3枚!
冒頭で金沢へ向かう場合、優待の効果が途中までしかないと書きました。
実際に、東京ー金沢間の北陸新幹線の切符を購入すると以下のように発券されます。
なんと、切符は3枚発券されるのです。
というのも「新幹線の他社分界駅」で紹介したように、北陸新幹線は上越妙高駅でJR東日本とJR西日本に分かれます。
したがって、乗り換えるわけでもないのに切符は乗車券・新幹線特急券である「東京→上越妙高」「上越妙高→金沢」の2枚と、新幹線の座席が記載された「東京→金沢」の合計3枚となるのです。
乗車する場合、出発駅が都区内からだと「東京→上越妙高」の乗車券を自動改札に入れて在来線に乗ります。
そして、東京駅から新幹線に乗るときは「東京→上越妙高」「上越妙高→金沢」「東京→金沢」3枚全て自動改札に投入してしまって問題ない。金沢駅の改札から出るときも3枚全て入れてしまえば自動改札に3枚とも回収されます。
なかなかイレギュラーなので、3枚とも無くさないように気を付けましょう。
東京ー金沢間で一番お得なのはどの方法?
何度も書いていますが、東京ー金沢間といっても割引が効くのはJR東日本圏内の東京ー上越妙高間だけです。
したがって、実際に割り引かれる対象は、東京ー上越妙高間の乗車券5,170円、特急料金自由席3,740円(指定席4,270円)、グリーン料金3,150円となります。
それを踏まえると「東京ー金沢」の料金は下記のようになります。
通常料金 | 優待価格 | 割引額 | |
自由席 | 13,850円 | 11,060円 | △2,790円 |
指定席 | 14,380円 | 11,910円 | △2,470円 |
グリーン車 | 19,100円 | 15,050円 | △4,050円 |
株主優待割引券を利用するとかなり安くなりますが、新幹線の割引には、えきねっと限定の割引切符「えきねっとトクだ値」というものがあります。
北陸新幹線だと東京ー金沢間が、14日前までの予約で「お先にトクだ値(30%オフ)」となり9,920円、前日までの予約で「トクだ値(10%オフ)」となり12,760円になるのです。
株主優待割引券を利用した指定席の価格が11,910円なので、指定席の予約なら「えきねっとトクだ値」の方が得になります。
しかし、この「トクだ値」の割引はグリーン車の適用がないのです。
したがって、グリーン車を利用したい場合には、今度はJR東日本株主優待割引券の一択となります。
金券ショップで株主優待割引券を購入してでも利用した方が得になるのです。
なお、北陸新幹線以外にも「えきねっとトクだ値」は適用されるますが、新幹線によって割引率が違うので、東京ー金沢間以外を利用するときは注意してください。
おわりに
私の場合は、行きは4割引きのグリーン車(15,050円)、帰りは通常料金のグリーン車(19,100円)の合計34,100円でした。
通常料金の指定席が14,380円なので、行きは670円でグリーン車にしたようなものです。
行きか帰りのどちらかはグリーン車で静かに寝たかったので、670円で往復贅沢できたと思えば安いものだと思います。
ネタで帰りはグランクラスでも使おうかと思ったのですが、東京ー金沢間の2時間半のうち半分ぐらいは寝ているので、ドリンク飲み放題や軽食が付くグランクラスは勿体無さ過ぎてやめました。
金券ショップで購入した場合には購入金額と割引金額を比較する必要がありますが、株主として取得した場合には割引金額を気にせず使ってしまうのが良いでしょう。
ちなみに、JR東日本圏内で株主優待割引券を使って最も遠くまで行けるのは、分界駅で紹介した新青森です。東京ー新青森間が22,380円なので、4割引だとざっと8,900円も安くなります。
2015年に長野ー金沢間の新幹線が開通し、東京ー金沢間の利用も多くなるだろうと思い紹介してみました。株主優待割引券を使用して旅行する際の参考に是非。